2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
秋山 茂樹 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (60212445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊次 金沢大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (30055321)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院多元数理研究科, 助教授 (50109261)
小松 和志 高知大学, 理学部, 助教授 (00253336)
竹内 照雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10018848)
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Keywords | Pisot Number / Discrete Dynamical system / Symbolic dynamical system / Domain Exchange / substitution |
Research Abstract |
数系を記号力学系と連結させることが大きな研究の目標である。とくに数系の有限性に関しては、ベータ展開、標準数系ともに共通してある種の記号力学系が対応しており、その対応を書き下すとシフト基数系の概念にいたる。このシフト基数系はd次元格子上の簡単な力学系であり、その縮小的パラメータ空間はベータ展開や標準数系を統一的に扱う一種のモジュライ空間である。その基本的な性質をまとめたのが第一の論文である。この研究では、いくつか重要な発展があった。Acta Arithmeticaの論文では二次元のシフト基数系の詳細な記述に成功した。上記パラメータ空間の境界上の絶対値1のパラメータに対応する場合は扱いが非常に難しいが、Periodica Math.Hungaricaの論文では二次元のシフト基数系の境界上で全ての軌道が周期的になることの証明が可能となる点を見つけた。この場合、対応する力学系は格子状の離散的回転であり、領域交換の力学系と対応付けることにより研究が進んでいる。数系の有限性については、何らかの意味で正であることが重要な役割を果たす。すなわち、正なものに限って有限表示を論ずることも意味がある。そのように弱めた有限性を満たす数系にどのような場合があるのかをDevelopments in Mathematicsの論文で分類した。これらの研究は一般置換規則の幾何学的実現、特にそのスペクトル理論と深く関連しており伊藤らは、その方向から研究を進めた。 これらの研究と平行してFrougny, Sakarovitchとの共同で数論的Meyer集合の研究、有理数基数の実数の数系とDiophantus近似への応用についての研究を進めている。特に有理数を底とする展開は力学系として大変複雑でありながら興味深い数論的結果を得ることができる。この展開の言語理論的研究、禁止語、エントロピーなどの研究は数論と力学系の研究の中間的な色彩を持っている。
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Research Products
(6 results)