2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野村 明人 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (00313700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 達郎 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90015909)
平林 幹人 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (20167612)
木村 巌 富山大学, 理学部, 講師 (10313587)
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Keywords | ガロアの逆問題 / 最大不分岐3拡大 / 類体塔 / 3次巡回体 |
Research Abstract |
当該研究課題に関する平成18年度の主たる研究業績の概要は以下の通りであり、成果については学術雑誌に発表済みである。 代数体の最大不分岐p拡大のガロア群の構造解明がこの研究課題の目標である。この目標達成のための重要な問題の一つとして、p次巡回体の最大不分岐p拡大が非アーベル拡大となるための条件の決定がある。今年度は、3次巡回拡大体の最大不分岐3拡大が非アーベル拡大となるための条件について考察した。 R.Bondと研究代表者野村の独立な研究により、Kが3次巡回体でK/Qで4個以上のprimeが分岐するならばKの最大不分岐3拡大は非アーベル拡大であることは知られていた。今回は、丁度3個のprimeが分岐する場合を考察し次の結果を得た。 定理 Kは3次巡回体で、K/Qにおいて丁度3個のprimeが分岐しているとする。このとき、次の(1)(2)は同値である。 (1)Kの最大不分岐3拡大は非アーベル拡大である。 (2)Kのgenus fieldの類数は3で割り切れる。 (2)⇒(1)の証明のポイントは、群の計算ソフトGAPを用いて位数81の群およびその極大部分群を計算することである。 今後の課題は、一般の奇素数Pに対して上記定理と同様の考察を行い、さらにクラス2の類体塔のガロア群の構造を決定することである。
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