2007 Fiscal Year Annual Research Report
交代符号行列,対称関数の組合せ論とその表現論,可積分系系への応用
Project/Area Number |
18540024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 聡一 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
中西 知樹 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80227842)
石川 雅雄 鳥取大学, 大学教育総合センター, 准教授 (40243373)
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Keywords | 対称関数 / Painleve方程式 / 交代符号行列 / 平面分割 / Young図形 / 行列式 |
Research Abstract |
対称関数の組合せ論とPainleve型方程式への応用においては,行列式やパフィアンに対する関係式が鍵となる.今年度は,対称式(古典群の指標)を成分とするさまざまな行列式を中心に研究を行った.平面分割の数え上げ問題に関連してCatalan数や二項係数を成分とするHankel行列式がViennotなどによって与えられていたが,この研究では,これらの行列式の多変数版として,古典群の指標を成分とするある種の行列式が長方形のYoung図形に対応する既約指標で与えられることを見出し,組合せ論との関係を考察した.また,その過程で,直交Lie代数のスピン表現に対する普遍指標の理論を整備した.さらに,石川雅雄,伊藤雅彦との共同研究において,与えられた行列の小行列式を成分とするCauchy-Sylvester型の公式を見出し,q解析に現れるJackson積分に関する行列式の証明の一部を簡略化することに成功した. 交代符号行列の組合せ論と可積分模型への応用においては,平面分割(plane partition)の精密な数え上げが鍵となる.今年度の研究では,対称関数環とその上の作用素を用いることにより,shapeの与えられたreverse plane partition,reverse shifted plane partitionの対角和に関する母関数(trace generating function)をhookを用いた積の形に表すGansnerの公式に対して,見通しのよい別証明を与えた.さらに,その議論を拡張することにより,diagonally strict reverse plane partitionなどのいくつかの新しいクラスのplane partitionに対してもtrace generating functionを具体的に積の形に表す公式を得た.
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Research Products
(2 results)