2009 Fiscal Year Annual Research Report
代数曲線の被覆の数論幾何-ガロア表現・フルビッツ空間・正標数
Project/Area Number |
18540027
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
|
Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / ガロア表現 / フルビッツ空間 / 正標数 / 国際研究者交流 / 米国:仏国:英国 |
Research Abstract |
研究実施計画に記載の通り、本年度は、Cadoret氏(7月~8月及び12月)、 Saidi氏(4月)の来訪を受け、また、研究代表者の英ケンブリッジ(8月。Rasmussen氏、 Cadoret氏、Saidi氏も参加)及び仏ボルドー(1月。Cadoret氏も参加)の研究集会参加を実現し、代数曲線の被覆と基本群に関する数論幾何について、研究の目的を十分果たすことができた。(特に、Saidi氏の来訪は、本補助金の使用により実現した。)より具体的には、次のような重要な研究成果を得ることができた。 1.Cadoret氏とのフルビッツ空間に関する共同研究について、昨年度、有理数体上有限生成な体上の曲線の数論的基本群の(ある種の弱い条件を満たす)1進ガロア表現が与えられた時、その表現を曲線の(剰余次数を制限した)閉点の分解群に制限して得られるガロア表現の像に対する下界の存在を証明できたが、本年度はこれを論文2編にまとめ、学術雑誌に投稿した。 2.Cadoret氏とのフルビッツ空間に関する共同研究について、本年度は、素数1を走らせる時の幾何的基本群の法1表現の像のふるまいについて考察し、アーベルスキームからくる表現の場合には、(ある技術的仮定の下で)望まれる結果を証明できた。(付記:2010年4月に論文投稿済み。) 3.Saidi氏との正標数に関する共同研究について、昨年度までに、有限体上の曲線やその関数体の遠アーベル幾何に関して、ある種の局所条件を仮定した上でのHom版を証明できていたが、本年度はこれを論文にまとめ、学術雑誌に投稿した。 なお、本補助金を使用して、本年度は、東京大学(9月及び12月)、大阪大学(9月)に出張し、本研究課題に関係する意義ある研究交流、情報収集ができた。
|
Research Products
(5 results)