2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540054
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
村田 玲音 明治学院大学, 経済学部, 教授 (30157789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 良之 名城大学, 理工学部, 教授 (40022686)
岡崎 龍太郎 同志社大学, 工学部, 専任講師 (20268113)
|
Keywords | 剰余位数 / 剰余指数 / 原始根に関するArtinの予想 |
Research Abstract |
研究課題に関する研究の初年度である平成18年度は、一般剰余類群における剰余位数を解析数論的にどのように表現したらよいかという点に関する、基礎的な試行錯誤に終始した。 1.一般の剰余類群といっても、一番重要かつ興味深いのは「法が二つの素数p,qの積の場合」である。このとき、剰余類a(mod pq)の剰余位数はa(mod p)の剰余位数とa(mod q)の剰余位数の最小公倍数になることは比較的容易に分かる。このことだけから既に、合成数pqを法とする剰余位数の分布について部分的な結果は得られるが、素数を法とする場合の剰余位数の分布について村田-知念の研究で明らかになったような定量的な結果はまだ得られていない。今後の課題である。 2.一般の剰余類群の位数分布に関して、かなり膨大な数値実験を行なった。前回の「素数を法とする場合」では得られた理論的結果を検証するために数値実験を用いたが、今回は理論的結果を予想する手がかりが得られることを期待して行なった実験である。上記の部分的な結果の検証には役立ったものの、はっきりした理論的結果を示唆する実験結果は得られていない。 3.素数を法とする剰余位数分布に関して、得られた結果を論文、シンポジウムでの講演(2006年9月、中国山東大学における『中日整数論シンポジウム』)等によって広く公表した。 4.北岡良之(研究分担者)は、素数を法とする剰余位数に関連して、次のような数の分布を考察して、興味ある結果を得た:a(mod p)の類の剰余位数をeとし、e=nk(n>1)と分解できているとするとき、a^{ki}の(mod p)での平均値の(素数pを動かしたときの)分布を調べる(次ページ文献の1番目)。これも今後の発展が期待できる問題である。
|