2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540056
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
北岡 良之 Meijo University, 理工学部, 教授 (40022686)
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Keywords | 代数体 / 単数 / 分布 |
Research Abstract |
代数体の単数がどのように分布するのか目標として研究を続けてきた。分布の定義は確立しておらずいろいろな見方があると思われるが、我々の取った視点は類体論(代数)と解析数論(解析)をそれら単独の偏ったものではなく融合させた見方を基礎にしている。類体論を取り上げる理由は代数体Fの整イデアルAを決めるとそれにたいしてAを導手にもつFのアーベル拡大体が決まり、その拡大次数がFの類数とAを法として単数のなす部分群の剰余指数との積となることが知られている。その拡大体自身存在は証明できるものの具体的に構成することはほとんどできず、その拡大次数についても類数は古来非常に良く調べられているのに対し、指数についてはほとんど何も調べられていなかったといってよい。また単数の分布といっても曖昧な問題提起で何をどう定式化すればよいのかはっきりした視点がなかった。そこで類体論を念頭においてこの指数の値の分布が単数の分布の反映であるととらえる観点を採用しそれを解析的整数論の手法を用いて調べようと計画した。すでに前回の科研費(研究課題:類体論および解析数論の観点から見た単数の分布)によって整イデアルが素イデアルの場合にはその代数的枠組みについてはわかったといってよい。もちろん個々の代数体に特有のこと等調べなければならない事は多く残っていてこの場合だけでも代数的にも多くの問題が残っているし、解析的側面については手のつけようがないくらい難しいというのが現状である。 しかし、ともかくも素イデアルのときは様子は掴めたので、より一般の整イデアルに対して様子を探る事を考えることにした。といっても完全に一般には無理なので有理素数で生成される単項イデアルを手始めに調べ様子を見た。これらについて得られた結果は日中の国際研究集会で発表し報告集に掲載された。しかしそこでわかったのは素数をフロベニウス写像で支配するときそのフロベニウス写像がガロア群の中心に入る事が重要な必要条件であるということであり、そうでないときは様子はまったくわからなかった。そこでこの場合の様子を計算機を使って実例に当たって調べてきたが未だ様子は掴めず更なる実例の収集とその解析が今後引き続き行うべき仕事であることが確認された。
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Research Products
(1 results)