2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540064
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大嶋 秀明 Ibaraki University, 理学部, 教授 (70047372)
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Keywords | リー群 / ホモトピー / 自己写像 / 写像空間 / べき零指数 |
Research Abstract |
リー群Gに対し,GからGへの単元を動かさない連続写像全体map(G,G)にコンパクト開位相を与えて位相空間とみなす.この空間のホモトピー群π_n(map(G,G))の計算は本研究課題の主たる目的の一つである.この群を計算することの意義と重要性は,それがリー群Gの性質を強く反映し,従ってそれを計算することによりリー群Gの位相的性質が露わになることにある.GがSU(3)またはSp(2)であって8<n<12の場合にπ_n(map(G,G))の計算を前年にほぼ終えていたのを本年完了投稿し印刷公表した.π_0(map(G,G))は[G,G]とも書かれ,研究代表者により詳しく研究がなされて来たが,未だ道半ばという状態にある研究対象である.研究代表者は群[G,G]のべき零指数について次の予想を立てた「Gが単純リー群ならば[G,G]のべき零指数はGの階以上である」.この予想を肯定する例はたくさん得られているが,予想の完全な証明は未だ得られていない.射影ユニタリー群に対してしは予想が成り立つことを濱中・河野は示した.従って任意の自然数nに対し[G,G]のべき零指数がn以上となる単純だが非単連結なリー群Gは存在することが分かったことになる.研究代表者は非単純だが単連結なリー群に対し,予想の結論部分の成り立つ例があるか否かを考察し次の結果を得た. 定理.Gがホモトピーべき零でない位相群ならば,そのn個の積G^nに対し[G^n,G^n]のべき零指数はn以上である. 系.任意の自然数nに対し,コンパクト単連結リー群Gで[G,G]のべき零指数がn以上となるものが存在する. 上記結果は既に論文にまとめられ,投稿も受理されていて来年度には印刷公表の予定である.
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Research Products
(3 results)