2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川村 一宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (40204771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70152733)
酒井 克郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (50036084)
山崎 薫里 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (80301076)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
三浦 毅 山形大学, 工学部, 助教授 (90333989)
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Keywords | バナッハ環 / 代数方程式 / スペクトル / 写像空間 / 次元論 |
Research Abstract |
本研究の目的は関数環、特に複素数値連続関数環を、一般及び幾何学的トポロジーの手法を援用して研究することである。本年度は特に連続関数環のバナッハ環論的性質、特に代数方程式の根の存在問題及び一般のバナッハ環の間のスペクトル保存写像についての研究を行った。また写像空間の無限次元多様体論的及び幾何学的トポロジー的研究、また写像の拡張問題に関する位相空間論的研究を行った。以下にその中の幾つかの結果を述べる。 1.本研究費の補助によって研究集会「バナッハ環セミナー」2006.11.15-16(筑波大学)を開催し、その際に行われた討論を基に次の結果を得た:任意の互いに素な正の数m、nに対してコンパクトハウスドルフ空間Xで、その複素数値連続関数環C(X)はm乗根について閉じているがn乗根について閉じていない様なものが存在する。これはC(X)に係数を持つ代数方程式の根の存在問題に於ける基本問題の一つに解答を与えたものである。研究分担者三浦毅・代表者川村一宏の共同研究として論文を準備中である。更に三浦毅は新潟大学自然科学研究科大学院本間大氏との共同研究によって、連続関数環C(X)が次の性質をもつ様な第一可算或いは局所連結なコンパクトハウスドルフ空間Xの特徴付けを行った:任意のC(X)の元fに対して、自然数p、q(p*q)とC(X)の元gが存在して、f^q=g^pをみたす。 2.研究分担者羽鳥理・三浦毅は高木啓行氏と共同で、単位元を持つ半単純バナッハ環の間の単位元を保つスペクトル保存写像にっいて考察し次の結果を得た:1)この様な写像が全射なら、それはバナッハ環の同型写像である。2)1)において全射性の仮定は落とせない:可換C^*環の間のこの様な写像で、線形でも乗法的でもないような非全射が存在する。 3.研究分担者酒井克郎は上原成功氏と共同で、ハウスドルフ空間X上の実数値下半連続関数全体L(X)上で、関数のグラフのなすhyperspaceの位相を考察し、Xが局所コンパクト第二可算な無限空間ならL(X)はHilbert cubeと同相であることを示した。コンパクトハウスドルフ空間で、その上の実数値連続関数からなるバナッハ空間が極めて限られた線型作用素しか許容しないようなものの存在が知られていることと併せて考えると、大変興味深い結果である。 4.研究分担者加藤久男はn次元コンパクト距離空間からn次元多様体への連続写像の全体のなす空間の中で、Bing写像、Krasinkiewicz写像など、滑らかさの対極にあって極めて複雑な振る舞いをする写像がgenericに存在することを示した。Banach空間論におけるWood予想の、作用素における類似を考察する際に有効な視点及び研究手法を与えることが期待される。
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Research Products
(26 results)