2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540069
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
下川 航也 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (60312633)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 忠良 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20080492)
阪本 邦夫 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70089829)
長瀬 正義 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30175509)
江頭 信二 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 助手 (00261876)
|
Keywords | 結び目 / 3次元多様体 / 本質的曲面 / デーン手術 |
Research Abstract |
3次元球面内の結び目の外部空間の構造を調べる際に、最も重要な構造の一つに本質的曲面がある。結び目の本質的曲面の境界スロープの性質は非常にミステリアスで、特徴付けは非常に難しい。 その特徴付けに関して、以前、石川昌治氏と研究代表者で提出した予想で次のようなものがある。 「結び目が交点数c、ねじれ数wのダイアグラムを持つとき、任意の境界スロープrについて、|r|≦c+|w|が成立する。」 これは、境界スロープを結び目の交点数と結び付ける最初の方向付けであった。その後、境界スロープと結び目の交点数との関連を考察する研究は、いくつかの結び目について行われている。今回、この予想を、2橋結び目と、交代Montesinos結び目について肯定的に解くことが出来た。今回得られた結果は、「Kを2橋結び目または交代Montesinos結び目とする。Kの交代ダイアグラムの交点数をcとし、ねじれ数をwとする。このとき、任意の境界スロープrについて、-c+w≦r≦c+wが成立する。」というものである。この結果と、これまでに得られている結果を合わせると、上記の予想の肯定的解決を得る。実際、今回得られた結果は、予想をより精密化したものであるので、それに伴い、予想の精密化も行った。 また、近年、研究代表者のデーン手術に関する以前の研究結果が、DNAの組み換えの研究に応用されている。DNAの組み換えにおいて、DNAのトポロジーが変化することが知られているが、そのトポロジーの変化の特徴付けに、近年のデーン手術の結果が用いられている。その応用についての解説と、課題などについて、今年度に国内外で講演を行った。
|