2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540069
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
下川 航也 Saitama University, 理工学研究科, 准教授 (60312633)
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Keywords | 結び目 / デーン手術 / 双曲多様体 / 3次元多様体 / DNA / Xer / FtsK |
Research Abstract |
今年度の研究では、結び目の有限デーン手術の研究を行い、長さが3のプレッヅェル結び目の有限デーン手術の分類を完成させた。この研究は、D.Futer氏、石川昌治氏、蒲谷祐一氏、T.Mattman氏との共同研究である。有限デーン手術とは、デーン手術により基本群が有限群となる3次元多様体が得られるものである。これまでのMattman氏の研究により、プレッツェル結び目の有限デーン手術は、タイプ(-2,p,q)以外の結び目については分類が完了していた。今回の研究ではそのタイプの結び目の有限デーン手術を研究し、分類した。得られた結果は、タイプ(-2,p,q)のプレッジュル結び目のデーン手術で有限基本群を持つ多様体が得ら,れたとすると、それは、(-2,3,7)プレッツェル結び目の17、18、19-手術か、(-2,3,9)プレッツェル結び目の22、23-手術である、というものである。ここで用いた手法は、結び目補空間の基本群のSL(2,C)表現のcharacter varietyから定義されるCuller-Shalen norm、有限群に関する最近の研究、双曲3次元多様体の例外デーン手術のスロープの長さなどである。この結果は、Algebr.Geom.Topol.(2009)に掲載された。 また、数学などのDNAの研究への応用に関する国際会議『結び目とソフトマター物理学:高分子のトポロジー、そして物理学、数学および生物学における関連する話題』(2008年8月26日(火)-29日(金),京都大学基礎物理学研究所)を出口哲生氏らと共同で開催した。その会議においてXer/FtsKのシステムによるDNA絡み目の絡み目解消操作の特徴付けについて講演した。
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