2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラドン・ペンローズ変換と無限次元表現論を用いた開複素等質多様体上の大域解の研究
Project/Area Number |
18540070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関口 英子 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50281134)
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Keywords | ペンローズ変換 / 半単純リー群 / ユニタリ表現 / 有界対称領域 / 複素多様体 / 積分幾何 / 概均質ベクトル空間 / 超幾何函数 |
Research Abstract |
当該研究は無限次元表現論を用いた開複素等質多様体上の大域解の研究をテーマとし,半単純リー群の特異ユニタリ表現を援用してツイスター理論の高次元化を解明することを目的とする。 平成19年度の当該研究の実績として不定値ユニタリ群U(n,n)の表現をある部分群へ制限したときに得られる分岐則の公式(Schmid-小林の公式)の一般化を得た. 分岐則の公式に関しては従来,次に述べるような場合が知られていた.簡約リー群の既約なユニタリ最高ウエイト表現がスカラー型である場合,大きな群と部分群とが対称対となるような組であるならば大きな群の表現の部分群への制限が重複度1になること,また対称対が正則型の場合には表現の部分群への制限の分岐則が離散的になることが知られていた.すなわち,表現や大きな群と小さな剖分群との組が良い性質をみたす場合は大きな群の表現の部分群への制限は簡単な形で記述できる.また正則離散系列表現の場合にはSchmid-小林の公式により,分岐則が知られている. 平成19年度に上で述べたSchmid-小林の公式の一般化を不定値ユニタリ群の特異な表現に対して与えた.またその特異な表現を非コンパクト不定値ケーラー多様体上にコホモロジーを用いて実現し,分岐則の幾何的な解釈を与えた.ここでは一昨年までの当該研究の研究実績であるラドン・ペンローズ変換の理論が重要な役割を果たした. 不定値ユニタリ群のSchmid-小林の公式の一般化を得たことによって特異な表現の分岐則が得られた.このことは当該研究の目的のための重要なステップであると考えられる. 平成19年度の当該研究の実績であるこの結果は"Branching rules of singular unitary representations with respect to symmetricpairs (A_{2n-1},D_n)"というタイトルでまとめ,現在投稿中である.
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