2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラドン・ペンローズ変換と無限次元表現論を用いた開複素等質多様体上の大域解の研究
Project/Area Number |
18540070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関口 英子 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (50281134)
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Keywords | ペンローズ変換 / 半単純リー群 / ユニタリ表現 / 有界対称領域 / 複素多様体 / 積分幾何 / 概均質ベクトル空間 / 超幾何函数 |
Research Abstract |
当該研究「ラドン・ペンローズ変換と無限次元表現論を用いた開複素等質多様体上の大域解の研究」の研究実績の概要は以下の通りである. 部分多様体の族の上で積分することによって,微分方程式の大域解を構成するという積分幾何の視点は,直線上の積分(現在では医学への応用からX線変換と呼ばれることもある)を用いて超双曲型方程式の解を構成したF.Johnにさかのぼる. 当該研究では,この考え方を,対称性の高い非コンパクトな複素多様体上のDolbeaultコホモロジーに適用することによって,複素解析的な高階の微分方程式系の正則大域解を全て構成することをテーマとしている. 今年度はEastwood-Penrose-Wellsによって構成された複素3次元と複素4次元の多様体を結びつけるRadon-Penrose変換の理論を高次元化し,さらに,半単純リー群の無限次元表現の理論を援用して高次元の複素対称空間上の微分方程式系の大域解を構成するための基礎研究を行った. とりわけ,管状有界領域に対して有効な従来の手法を非管状領域に拡張するためにはいくつかの困難があったが,前年度からの継続研究により,一般の不定値ユニタリ群U(p,q)を変換群とする非管状有界領域に対してPenrose変換の像を決定することに成功し,論文[1]として成果を発表した.さらに,Penrose変換の結果を用いて,不定値ユニタリ群の特異ユニタリ表現を実シンプレクティック群に制限,したときの分岐則を決定した. また,「無限次元表現論」に関する概説記事を「数理科学」で発表した.
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Research Products
(2 results)