2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540092
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神山 靖彦 University of the Ryukyus, 理学部, 教授 (10244287)
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Keywords | 配置空間 / ループ空間 / 重心 / 超平面 / 可換図式 / 予想 / ホモトピー同値 / 局所係数ホモロジー |
Research Abstract |
最近の代数的位相幾何学の研究者間の大きな関心として,配置空間を深く研究することによりその情報を非安定ホモトピー論に戻そうというものがある.このような考え方はかなり以前からあり,考察するホモトピー論の問題を特定の配置空間の問題に帰着させて成功した例もある.しかし,多くの応用を含んでいるような一般的な配置空間を設定し,そこから非安定ホモトピー論の種々の定理や予想に統一的な証明を与えようというような大きな枠組みは未だ設定されたことがない.本研究の目的は,このような枠組みを与える配置空間を構成し,その情報を非安定ホモトピー論の情報に戻すためにはどのような問題を解決すればよいかを考察することである.平成18年度の研究成果により,目的の配置空間は通常の配置空間の開集合である重心配置空間ではないかと考えられる. 平成19年度は,重心配置空間から非安定ホモトピー論の情報を抽出するために解決すべき問題を予想という形で提示した.もしこの予想が正しければSelickの写像の懸垂を1つ外す問題やCohen-Moore-Neisendorfer予想など,非安定ホモトピー論における多くの予想が解決できることを証明した.報告者はこの研究成果について,2007年12月に京都大学で開催された国際会議で招待講演を行い,多くの聴衆に興味を持たれた.また,幾人かの著名な数学者に論文の請求を受けた.MexicoのGitler教授やSingaporeのWu教授などである.なお,実際には予想は素数pに依存し,p=2のときはむしろ成立しないことが望ましい.平成19年度の研究実施計画に書いたように,p=2のときは不成立であることを証明した.
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