2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540092
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神山 靖彦 University of the Ryukyus, 理学部, 教授 (10244287)
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Keywords | 重心配置空間 / クモの巣装置 / パワーショベル / ロボット / モーメント角複体 / ホモロジー分解 / コンピュータ計算 / 位相的複雑さ |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、重心配置空間という具体的な空間を構成し、その研究からホモトピー論の情報を読み取ることである。平成20年度は重心配置空間の一種であるクモの巣装置の配置空間を研究した。クモの巣装置とは多面体の頂点ごとにパワーショベル腕を接合してできるロボットである。まずクモの巣装置の配置空間とモーメント角複体との間のホモトピー同値を証明した。次にクモの巣装置の配置空間を一回懸垂すると、球面のブーケに分解することを証明した。モーメント角複体のホモロジーが自然に分解することはよく知られている。我々の研究成果はホモロジー分解を空間レベルでの分解に一般化したわけで、ホモロジー分解が任意のホモロジー理論で可能になることなど応用は広い。 2.クモの巣装置の配置空間を一回懸垂すると球面のブーケに分解するのだが、では何次元の球面が幾つ生じるか具体的に決定せよという問題は一般に手計算では難しい。正多面体の場合は比較的単純なコンピュータプログラムでも計算可能であるがそれ以上は難しい。平成20年度はコンピュータを購入し高速のプログラムを開発することにより、切頂多面体の全ての場合を解決した。例えば切頂二十面体の面は正5角形が12個、正6角形が20個であり、この計算を実行するプログラムを開発した意義は大きい。 3.クモの巣装置は、これを懸垂した場合には十分な結果が得られたが、一般に空間を懸垂すると失われる情報がある。コホモロジー環や位相的複雑さがそうである。近年、ロボットの動作の連続性を数学的に解析する手段として位相的複雑が注目されているが、与えられた空間の位相的複雑さを決定することは一般に非常に難しい。平成20年度はクモの巣装置の位相的複雑さを研究した。
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Research Products
(6 results)