2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540097
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
相馬 輝彦 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50154688)
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Keywords | hyperbolic 3-manifolds / geometric limits / ending lamination / curve complex / quasi-Fuchsian groups / Kleinian groups |
Research Abstract |
前年度から引き続いて双曲3次元多様体の幾何的極限について研究した.現時点で,この結果は専門誌に論文として発表されていないが,すでに海外の双曲幾何学分野の研究者には広く知られている.実際,平成19年度7月にはWarwick大学(ENGLAND),8月にはHelsinki大学(FINLAND),11月にはMSRI(USA)で開かれた国際研究集会で,この結果について招待講演をすることができた.すでに,前年度までの研究で,代数的に収束する擬フックス群の列が幾何的に収束するとき,幾何的極限多様体がどのような位相型を持つか完全に決定していた.しかし,まだその時点では幾何的極限多様体の幾何的分類は完成していなかった.今年度は,大鹿健一氏(大阪大学大学院理学研究科教授)と共同研究する事により,懸案だった幾何的分類も完成した.実際,2つの幾何的極限多様体の間に同相写像が存在し,その写像を介して,これらの多様体のエンド不変量(すなわち幾何的有限エンドに対しては無限遠境界上の等角構造,幾何的無限エンドに対してはエンディング・ラミネーション)が一致するとき,この同相写像は等長写像に固有ホモトピックである事が証明できた. 最近,双曲3次元開多様体に関する最も重要な予想であったエンディング・ラミネーション予想がY. Minskyによるリプシッツ・モデル定理とJ. Brock-R. Canary-Y. Minskyによる双リプシッツ・モデル定理を組み合わせることによって,解決された.しかし,彼らの論文(特に後者)は難解で非常に難しい.本研究代表者は,曲線複体の3次元幾何的な解釈や,双リプシッツ・モデル定理の極小曲面論を使った証明等を利用して,エンディング・ラミネーション予想の簡潔な証明をみつけることができた.この結果は論文としてまとめ,現在は専門誌に投稿中である.
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Research Products
(3 results)