2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540097
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
相馬 輝彦 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50154688)
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Keywords | hyperbolic 3-manifolds / Ending Lamination Con jecture / curve complex / geometric limits / Seifert fibered space / Kleinian groups |
Research Abstract |
3次元開双曲多様体の幾何的極限の幾何的および位相的分類について多くの新しい結果が得られた.まず最初に,双曲多様体がS×Rに同相な場合から考えた.このような多様体の列{N_n}で双曲多様体Nに幾何的に収束するものを考える.このとき,Nがみたすべき位相的・幾何的必要条件を見つけた.このときNはS×Rに位相的に埋め込むことができ,さらにブリック多様体の構造をもつ.たしかに各N_nはS×Rに同相であるが,NがS×Rに位相的に埋め込むことができるという事実,その直接的な帰結ではなく,詳細な議論が必要であった.本研究を通して,幾何的極限多様体Nは一般には非常に複雑な位相構造を持つことが分かった.実際Nは無限個の位相的テーム・エンドと無限個のワイルド・エンドを同時に持つようなものも存在する.位相的テーム・エンドとは曲面×半直線という位相的な構造を持っているエンドである.このエンドが幾何的に有限なときは無限遠境界の等角構造でもってエンド不変量を定義し,幾何的に無限なときはエンディング・ラミネーションでもってエンド不変量を定義する.しかし,ワイルド・エンドは非常に複雑な位相構造を持っており,適当なエンド不変量が定義できない.従って,ワイルド・エンドに関してはそのエンド(の近傍)の位相型をエンド不変量と考える.逆に,上記の必要条件をみたす双曲多様体は,上記のような双曲多様体の列の幾何的な極限になることも示した. さらに,本研究者はこのような幾何的極限多様体に関し,エンディング・ラミネーション定理が成り立つことも証明した.この結果は,論文: K.Ohshika and T.Soma, Geometry and topology of geometric limit I としてまとめ現在専門誌に投稿中である. 双曲2次元軌道体を底空間としてもつザイフェルト多様体Mの微分同相群のホモトピー型がS^1のホモトピー型と一致することを,双曲幾何的手法と最小曲面論を使って証明した.さらにこの結果の応用として,R.Kirbyの問題集(1978)にある未解決問題の一つを肯定的に解くことができた.この結果は,論文: D.McCullough and T.Soma, The Smale Conjecture for Seifert fibered spaces としてまとめている途中であり,完成次第適当な専門誌に投稿する予定である.
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Research Products
(4 results)