2006 Fiscal Year Annual Research Report
同じ絡み目の2つの射影図をつなぐライデマイスター変形の回数
Project/Area Number |
18540100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 忠一郎 日本女子大学, 理学部, 助教授 (20281321)
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Keywords | normal曲面 / fundamental曲面 / レンズ空間 / Reldemeister変形 / 絡み目射影図 |
Research Abstract |
HassとLagariasは2001年に結び目の射影図をほどくためのReidemeister movesの回数を上から評価したが、Hakenのnormal surfaceの理論はその議論の最も主要な部分を解決するための道具として活用された。結び目を縁とするdiskは簡単なnormal surfaceであるfundamental surfaceに直せるが、それが何枚のnormal disksによって構成されているかを上から評価するのが鍵となる。今年度はそのfundamental surfacesの具体例の計算において進展があった。(p,q)-レンズ空間全てのfundamental surfacesを計算しきることにq=1,2の場合にQ理論を用いて成功した。四面体分割に関して無限個の3次元多様体のfundamental surfacesを全て求めることに成功したのは世界で初めてのことだと思う。また、q≧3の場合にも興味深いfundamental surfacesの具体例を多く得た。一般に、normal surfaces全ての集合はthe matching equationsと呼ばれる連立1次方程式の非負整数解全ての集合と1対1対応が付く。fundamental solutionsは非負整数解の集合の基底をなすものたちで、高々有限個しかない。fundamental solutionsに対応するsurfacesがfundamental surfacesである。fundamental solutionsの中でも特に簡単なものをvertex solutionsと言うが、最小種数向き付け不可能閉曲面はvertex solutionに対応するnormal surfaceでは表せないことがこの具体例から分かった。
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