2009 Fiscal Year Annual Research Report
同じ絡み目の2つの射影図をつなぐライデマイスター変形の回数
Project/Area Number |
18540100
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 忠一郎 Japan Women's University, 理学部, 准教授 (20281321)
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Keywords | 幾何学 / 結び目理論 / ライデマイスター変形 |
Research Abstract |
2つの結び目の射影図が同じ結び目を表すとき、片方の図に有限回のライデマイスター変形(図の局所的な基本変形)を適用してもう片方の図に変形することができる。そのようなライデマイスター変形の列は無限個あるが、そのうちでライデマイスター変形の回数が最小のものを考える。その最小数の上界を射影図たちの交差点数の具体的な式で与えることが研究テーマであった。しかし、そのような上界を得ることはできなかった。2つの図の同時配置が複雑な場合に多数の四角形領域が生じ、それから「うず巻き」の存在を示す予定だったが、それが実現できなかった。ライデマイスター変形の必要回数について、得られた結果を述べる。最近の論文で、HassとNowikは自明結び目の図の或る無限個の具体例に対して、それらを交差点無しの図に変形するためのライデマイスター変形の最小数は元の図の交差点数の2次式回以上必要であることを示した。今回の研究では、非自明結び目の図のペアの無限個の具体例に対し、各ペアをつなぐライデマイスター変形の最小回数を正確に求めた。それは交差点数の「2分の3」次式となった。一般に、(p,q)-トーラス結び目と(q,p)-トーラス結び目は同じ結び目であることは良く知られている。(n+1,n)-トーラス結び目の通常の図を(n,n+1)-トーラス結び目の通常の図に変形するためのライデマイスター変形の最小回数は正確に{(n-1)n(2n-1)/6}+1であることを示した。(n+1,n)-トーラス結び目の通常の図は交差点を「nの2乗」個持つので、「2分の3」次式が得られたことになる。手法はHassとNowikのものとは異なり、研究代表者の2006年の論文で定義したcowritheを用いている。現在、論文を専門雑誌に投稿中である。他に、2009年度には、次頁の表のように、ノーマル曲面に関する論文とデーン手術に関する論文が出版された。
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Research Products
(3 results)