2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18540101
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷山 公規 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
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Keywords | 結び目 / 空間グラフ |
Research Abstract |
菅野顕氏(早稲田大学)との共同研究において以下を示した。有向空間グラフのブレイド表示を定義し、任意の有向空間グラフはブレイド表示を持つことを示した。空間グラフの射影図を使って有向空間グラフのスムージング数を定義し、有向抽象グラフの任意の空間埋め込みのスムージング数がそのEuler標数と1のうちの大きい方になるための必要十分条件は、その有向抽象グラフに入次数と出次数の等しくない頂点が存在することであることを示した。 また以下を示した。結び目射影図の結び目解消数は、その射影図の交点を入れ替えて自明結び目の射影図にするために必要な交点の入れ替えの最小回数で定義される。このとき結び目の結び目解消数は、その結び目の射影図の結び目解消数の、射影図全てにわたっての最小値として定義される。中西康剛(神戸大学)は任意の非自明結び目は結び目解消数が2以上の射影図を持つことを1996年に示している。そこで次の問題を考える。非自明結び目を一つ固定したときに、その結び目の射影図の結び目解消数全体のなす集合を考える。今回この集合がつねに上に有界でないことを示した。実際には次を示した。非自明結び目の射影図が一つ与えられたとき、同じ結び目の射影図で、その結び目解消数があたえられた射影図よりちょうど2大きいものが存在する。今後の課題としては、ちょうど1大きいものがいつでも存在するかどうか、すなわち、非自明結び目の射影図の結び目解消数全体のなす集合はその結び目の結び目解消数以上の全ての自然数の集合となるかどうかという問題が考えられる。
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