2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 善隆 Kyushu University, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (90243972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長藤 かおり 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (40326426)
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Keywords | 対称性破壊分岐点 / 計算機援用証明 / 熱対流問題 |
Research Abstract |
本研究はRayleigh-Benard問題を記述するOberbeck-Boussinesq方程式に対し、その解空間の大域的構造を計算機援用によって証明することを目的とする。平成19年度は以下の研究を遂行した。1.昨年度導いた計算機援用証明アルゴリズムの有効性を検証するため、非自明解がさらに不安定化を起こすと予想されている二次分岐点に対する数値的存在検証に取り組み、対称性破壊分岐点の検証に成功した。この結果は計算機において発生する浮動小数点演算の丸め誤差を考慮に入れた区間演算ソフトウェアを用いた実装結果であり、数学的な厳密さを保証する結果である。あわせて、数値計算の効率化にも配慮し、特に線形計算の精度保証付き数値計算の実装技術に関する分野における寄与も視野に入れた研究を行った。2.Rayleigh数をパラメータとする分岐曲線を連続的に追跡するホモトピー的手法について理論的な検討を行い、非自明解同士および非自明解と分岐点を結合することにより、臨界点で熱伝導解からの分岐を起こした後の解曲線を連続的に追跡するアルゴリズム構築の道筋を与えた。具体的には、Rayleigh数を微小な区間に属する任意の値として連続的に表現し、その区間に対する解の局所一意性付き数値計算と陰関数定理との併用により解をパラメータ連続的に包み込んでいく手法の着想を得た。さらに、局所一意性付き検証アルゴリズムおよび実装を行い、数値実験によりその有効性を確認した。
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Research Products
(4 results)