2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 善隆 Kyushu University, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (90243972)
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Keywords | 3次元熱対流問題 / 計算機援用証明 / 非自己共役固有値問題 |
Research Abstract |
本研究はRayleigh-Benard問題を記述するOberbeck-Boussinesq方程式に対し,その解空間の大域的構造を計算機援用によって証明することを目的とする.平成20年度は以下の研究を遂行した. 1.3次元熱対流問題に対する精度保証付き数値計算に取り組み,自明解からの不安定化を起こす臨界Rayleigh数直後の矩形解の存在検証に続き,ベナールセルと呼ばれる蜂の巣状のセルの存在証明に成功した.さらに,大域的構造を明らかにするための検証手法について理論・数値計算手法両面から考察を与えると同時に,Navier-Stokes方程式で記述されるKolmogorov問題に対する局所一意性をともなう非自明解の存在検証に成功した.さらに,流体の安定性を記述する非自己共役複素固有値問題であるOrr-Sommerfeld方程式に対する固有対の包み込みの計算機援用証明アルゴリズムを提案し,丸め誤差を考慮した数学的に厳密な数値計算により不安定化を起すパラメータの特定を行なった. 2.Rayleigh数をパラメータとする分岐曲線を連続的に追跡するホモトピー的手法について理論的な検討を昨年度に続き行い,非自明解同士および非自明解と分岐点を結合することにより,臨界点で熱伝導解からの分岐を起こした後の解曲線を連続的に追跡する手法の定式化を得ることに成功した.
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Research Products
(5 results)