2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540129
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
百武 弘登 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (70181120)
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Keywords | 繰返し測定値 / 混合効果モデル / 平行プロフィールモデル |
Research Abstract |
繰返し測定データに対して、薬物動態モデルのような非線形モデルが仮定されることがあり、特に生物統計においては個体ごとの変動を考慮することが必要となり混合効果モデルが用いられる。モデルを適合させたあとの問題のとつとして非線形混合効果モデルのパラメータの推測があり、本研究課題の目的はパラメータの信頼領域の構成である。モデルが非線形であるため、信頼領域の構成を精確に導出できないことから、テーラー展開を用いて近似的な信頼領域を与えた。さらに、1つのパラメータの推定で提案されていた分布の自由度では被覆確率の近似精度があまり良くないので、自由度の修正おこなった。近似精度の検証として、薬物動態モデルとロジスティックモデルを用いて、実際の場面を想定しデータ数20程度、測定時点数5程度でシミュレーションをおこなった。その結果従来の近似をもとに信頼領域を構成したものより、ここで提案した近似が良くなっていることを確認した。 測定時点数が3、4と少ない場合、特定の非線形モデルを仮定することが困難なことがある。このようなときは、多変量線形モデルによる推測がなされることになる。ここでは、平均ベクトルが平行であるという平行プロフィールモデルにおいて、複数の多変量正規母集団のコントロールとの多重決定問題を考察した。通常の多重決定問題はコントロールと異なるかどうかの検定がなされるが、本研究課題では平均がコントロールと「等しい」、「大きい」、「小さい」のいずれとなるかを判定する近似的な方法をダネットの多重比較をもとに提案した。また、シミュレーションにより、有意水準を与えたもとでの正確に判定する確率と第3種の過誤の確率が標本数や平均の離れ具合によりどの程度になるかを検証した。
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Research Products
(3 results)