2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540129
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
百武 弘登 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (70181120)
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Keywords | 繰返し測定データ / プロフィール分析 / コントロールとの多重比較 / 多重方向決定 |
Research Abstract |
繰返し測定データに対してプロフィール分析が適用されることがある。これは複数の多変量正規母集団における平均ベクトルに対し、「平行性」、「レベルの違い」、「成分問の違い」の3つの仮説を段階的に検定する推測である。 本研究においては、「平行性」の仮説が採択された揚合において「レベルの違い」を検定するときに、単に差異があるかどうかではなく、多重方向決定による手法を与えた。具体的には、各母集団の平均ベクトルが平行であるというモデルにおいて、コントロール母集団といくつかの処置群の多重比較問題に、それぞれの処置群がコントロールと比べて「平均が等しい」という帰無仮説を「平均が大きい」と「平均が小さい」という2つの対立仮説に対して検定するという多重方向決定問題ヘダネットの方法の適用を行った。母共分散行列が一様共分散構造をもつ場合は、一変量正規母集団に対する方法が直接適用できることを示した。共分散行列が一般の揚合については、漸近的には一変量の場合に帰着できることを示し、近似的に平行モデルのもとでの多重決定法を提案した。提案した方法が近似的であるから、その精度を検証するためにシミュレーションを行った。その結果、処置群数が2,3で3,4変量の場合は30程度以上の標本数であれば概ね良好な近似となっていることがわかった。さらにシミュレーションにより、正しい決定をする確率と第3種の過誤確率について調べ、第3種の過誤確率にっいては有意水準より小さいという一変量における性質を満たしていることが確かめられた。
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Research Products
(2 results)