2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大島 洋一 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (20040404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 幸一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (10164104)
金 大弘 熊本大学, 自然科学研究科, 講師 (50336202)
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Keywords | 時空拡散過程 / ディリクレ形式 / 過渡性 / 再帰性 / ポアンカレ型不等式 |
Research Abstract |
本年度の研究は、時間的に一様でない拡散過程について、ある種の(時空)曲面への到達可能性について考察した。時間的に一様なマルコフ過程Mにおいては、既約性の条件のがあれば、大域的な性質は次の2つの場合に分けられる。 (1)過渡的:出発点の近くには有限時間しか帰ってこない。 (2)再帰的:出発点の近くに無限時間帰ってくる。 しかし、変動が時間的に多様であれば、その様相は極めて多様になる。その時間的な変動の法則に何らかの制限を付けなければ定まった法則を見いだすことは出来ない。そこで、本年度の研究においては、まず時間的に一様な再帰的局所対称ディリクレ形式に対応する拡散過程から出発して、それを時空変数に依存する正の関数から定まるエネルギー測度により変換された時間に依存する生成作用素(あるいはディリクレ形式)に対応する、時間的に一様でない拡散過程を考察した。この様な拡散過程については、過渡的な集合と再帰的な集合が共存する可能性がある。どの様な集合が過渡的となり、どの様な集合が再帰的となるかは応用的な観点からも重要な問題と考えられる。典型的な場合としてはSimulated annealingで取り扱われている場合が典型的な問題である。すなわち冷却のスピードにより熱の偏在が起きるかどうかは既に良く研究されている。 本年度の研究では、ある種の集合の過渡性あるいは再帰性についての判定に関して考察するために、基本的な不等式を導出した。それは、時間的に一様な場合の過渡性、再帰性を特徴づける不等式を整備したものである。これを用いて到達可能な集合の特徴付けを行った。我々が取り扱ったケースは、空間的には一般性を持っている。この様な特徴付けを満たす時空曲面へ到達した拡散過程が、その曲面における特異な挙動の様相のについて調べる事が19年度の目標と考えている。
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Research Products
(5 results)