2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540132
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
末竹 千博 Oita University, 工学部, 教授 (80353241)
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Keywords | 横断デザイン / 対称横断デザイン / 有限射影平面 / 自己同型群 / 結合構造 / 結合行列 / 有限幾何学 / 群環 |
Research Abstract |
1.自明でないelation groupを持つ対称横断デザインから,クラスサイズを縮小して別の対称横断デザインが構成できることを示した。この事実を使って,任意のSTD_2[12;6]は非自明なelationを持たないことを示した。 2.18以下のブロックサイズを持つ,クラスサイズ3の対称横断デザインでGL正則なものを分類した。また,正則自己同型群を持っSTD_7[21;3]を発見した。 3.位数8の自己同型群を持つ位数12の射影平面は存在しないことを証明した。その証明方法が独創的な点は,一般に有限射影平面が部分構造として持つ対称横断デザインに着目したことである。また,この研究では対称横断デザインの軌道定理を作り,この問題を解くために利用した。この軌道定理は指導的研究者の一人であるJungnikelからも良い評価を得た。 4.3で述べたことから,位数12の自己同型群の位数の可能性は1,2,4,3,9の5通りになった。位数12の射影平面は,位数9の巡回自己同型群を持たないことを示した。また,位数9の自己同型群がplanarでないことも示した。なお,有限射影平面の位数は素数べきであると予想されているが,位数12の射影平面はそのような性質を満たさない存在・非存在が不明の最小の射影平面である。実際,位数が素数べきでない有限射影平面の存在は知られていない。位数12の射影平面の研究は1980年代にJankoとTrungが精力的に研究したが,それ以降中断していた。2004年から筆者と秋山献之氏によってその研究が再開された。
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Research Products
(7 results)