2006 Fiscal Year Annual Research Report
セミマルチンゲールにより生成されるフィルターの拡大と数理ファイナンスへの応用
Project/Area Number |
18540133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 眞 琉球大学, 理学部, 教授 (00015900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
コハツ-ヒガ アルトゥーロ 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (80420412)
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Keywords | セミマルチンゲール / フィルターの拡大 / コンペンセーター / インサイダー / 対数効用 |
Research Abstract |
1。まず、レヴィ過程の、それ自身のフィルター、その時刻Tでの値、それと独立で法則同値なレヴィ過程で生成されるフィルター(progressive enlargementの一種)に関するセミマルチンゲール分解を求めることが出来た.これは幾何レヴィ過程を株価とする市場におけるインサイダーの対数効用を求めるために実行したものである. 2。しかしこれでは対数効用を求めるには不十分であり、さらに大きなフィルターにおけるセミマルチンゲール分解を求める必要が生じた. 3。そこでこのような分解を求めることに努め、コンペンセーターの具体形を求めることに成功した. 4。この結果を基にインサイダーの対数効用を最大にするポートフォリオが満たすべき方程式を導いた.原理的にはこれを解けば最適なポートフォリオと最大対数効用が求められるが、一般には解くのは困難である.ひとつには方程式が微積分方程式であること、もうひとつの理由としてはコンペンセーターがランダムであることがあげられる.そこでレヴィ過程として正のジャンプサイズ,負のジャンプサイズがそれぞれひとつずつの複合ポアソン過程を考える.そうすると方程式が2次方程式となり最適ポートフォリオが具体的に求まり,従って最大対数効用も求まった. 5。さらにレヴィ過程を少し一般にし、ガウス部分がありえ,また、正のジャンプサイズ,負のジャンプサイズが高々ひとつのときに,最大対数効用が有限になるための必要十分条件を求めることが出来た.
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Research Products
(3 results)