Research Abstract |
因子A,因子Bの水準のそれぞれ1つをコントロール,すなわち,標準的な処理(たとえば,実際に評価されている小麦の品種),他の水準をテスト処理(たとえば,新しく開発された小麦の品種)とし,2因子実験におけるコントロールをもつsplit-block design, split-plot designの構成法を与えた.なお,各ブロックにおけるコントロールについては,主として,次の2つの場合を考えた. 1.同じパターンのコントロールをもつ場合,すなわち,因子Aのコントロールをp個ずつもち,因子Bのコントロールをq個ずつもつ場合である. 2.異なるパターンのコントロールをもつ場合,すなわち,因子Aのコントロールをp個あるいはp+1個ずつもち,因子Bのコントロールをq個あるいはq+1個ずつもつ場合である. 1.の場合について,因子A,因子Bのテスト処理に対するdesignをresolvable designとして,2つのresolvable designの部分的なクロネッカー積を用いて,split designを構成し,その統計的性質,すなわち,層効率因子と多重層解析を用いて推定される主効果,交互作用効果の対比を一般的な形で与えることができた.この結果には,科学研究費補助金による研究(課題番号:16540114)の成果であるresolvable design,特に,square lattice designの固有ベクトルが一般的に表されることを用いている.2.の場合について,さらに,もっと一般の形でコントロールをもつ場合については,1.のような一般的な結果は得られず,数値的な結果しか得られなかった.これらの場合のsplit design,また,2つ以上のコントロールをもつsplit designの構1成法が今後の研究対象である.
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