2006 Fiscal Year Annual Research Report
分割表とグラフィカルモデルに対する代数的アプローチによる算法構築
Project/Area Number |
18540140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 助教授 (10264582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純三 東海大学, 理学部, 教授 (40022727)
土屋 守正 東海大学, 理学部, 教授 (00188583)
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Keywords | 統計学 / グラフィカルモデル / perfect sequence / 列挙解法 / 逆探索法 / 可換環 / コーダルグラフ / 組合せ構造 |
Research Abstract |
本研究では,多元分割表やグラフィカルモデルの持つ組合せ構造に注目し,組合せ代数からのアプローチで,有用な解法を構築・提案することを目的としている.本年は,グラフィカルモデルで扱われるコーダルグラフに注目し,ある種の列挙解法を構築・提案した.コーダルグラフにはそれに付随しで複数のperfect sequenceが存在する.これらのperfect sequenceが全て陽に列挙できれば,様々な統計量の計算が可能となるが,現実には,全てを重複無く列挙する事は,コンピュータのメモリ等の制約があるため単純では無い. 本研究では,与えられたコーダルグラフのperfect sequenceを,列挙解法の分野で提案されたテクニックの一つである『逆探索法』を適用することで,重複無く全て列挙する解法を構築した.提案した列挙解法では,perfect sequence間の関係を特徴付けることでperfect sequence間に「親子関係」という順序の概念を導入し,これを利用する事で既に求めたperfect sequenceをメモリに保持せずに,効率良い列挙が可能である.全列挙されたperfect sequenceを用いて可換環のある種の代数の問題が解けることが知られており,列挙解法の提案は,統計・代数において有用な結果であるといえる.さらに,離散数学のアプローチを用い,double bound graph, upper bound graph, forbidden subposet等の切りロからの研究も行った.
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