2007 Fiscal Year Annual Research Report
分割表とグラフィカルモデルに対する代数的アプローチによる算法構築
Project/Area Number |
18540140
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松井 泰子 Tokai University, 理学部, 准教授 (10264582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 純三 東海大学, 理学部, 教授 (40022727)
土屋 守正 東海大学, 理学部, 教授 (00188583)
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Keywords | 組合せ構造 / グラフィカルモデル / 列挙アルゴリズム |
Research Abstract |
統計のグラフィカルモデルにおいて扱われる分解可能モデルは,グラフ理論ではコーダルグラフと呼ばれるグラフである.コーダルグラフ上では最尤推定計算が比較的容易に実行出来るため,コーダルグラフに付随した構造に対し,様々なアプローチでの研究が注目を集めているという背景がある. 本年度,著者は,コーダルグラフに付随した概念である完全列を効率良く導出することに注目して研究を進めた.クリーク木は,コーダルグラフ中の極大クリーク同士の隣接構造を表現した木構造である.「コーダルグラフである必要十分条件はクリーク木をもつ」事が知られており,一般に,与えられたコーダルグラフには複数のクリーク木が存在する.クリーク木の頂点達をある条件を満たすように並べた順列は完全列と呼ばれる.与えられたコーダルグラフの完全列が重複無く列挙出来れば,それ利用して最尤推定が容易に計算できるため,完全列の列挙が望まれている.しかしながら既存の研究では,完全列が見つかる度にメモリに蓄えることで重複を回避していたため,小さいサイズのグラフでもすぐに組合せ爆発を起こし全列挙は困難であった. そこで,衰々は列挙アルゴリズムの粋組みを用いることで,完全列を効率良く全列挙するアルゴリズムを提案した.提案したアルゴリズムは以下の特徴をもつ. 1)与えられたコーダルグラフからクリーク木を構成せずに完全列を求める. 2)一度出力された完全列をメモリに保持する必要が無い. 3)完全列を1個当たり定数時間で求める.上記の1)はグラフの組合せ構造に着目して発見したもので,2)及び3)は,列挙アルゴリズムの粋組みを適用することで実現出来た特徴である, 来年度以降は,本年度の結果を拡張することを目標としている.
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