2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540141
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡邉 昇 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (70191781)
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Keywords | 量子情報理論 / 量子符号化の定理 / 量子エントロピー / 量子チャネル / 量子通信理論 / 力学的エントロピー / 量子通信路容量 / 量子エンタングルメント |
Research Abstract |
(1)量子通信路容量に関する研究 本研究代表者達は,完全な量子通信路容量及び準量子通信路容量を定式化し,それらの性質について調べ,減衰チャネル・光雑音チャネル等のいくつかの量子チャネルに対する量子通信路容量の数値計算を行った.本研究では,通信路符号化の定理で重要な尺度として用いられている通信路容量を構成する上で重要な量子相互エントロピー型尺度について,低次元系から一般の光量子状態に関する入出力系において量子相互エントロピーの妥当性を調べた。さらに,量子密度符号化と情報伝送の特質について数値計算を行い,量子通信路符号化の定理の基礎付けを与える研究を行った。 (2)量子情報源符号化の定理の基礎に関する研究 本研究代表者のグループは, Tomita-Takesaki定理と非可換確率論における十分性の概念を用いて,古典系のエントロピーの積分表現に関するMcMillan型の定理をvon Neumann代数によって定式化されている非可換系に拡張できることを示した,すなわち,条件付期待値の存在に関するある仮定のもとで,非可換系の定常状態から定まるエントロピー作用素が定常状態によらないある定まった作用素によって常に表現できることを示した.この結果は,量子系のMcMillanの定理を定式化するための基礎付けを与える研究に関連したものである.さらに, Ohya-Tsukada-Umegakiは, von Neumann代数のセンターの概念を用いて,現在,最も一般的な形での量子系のMcMillanの定理の証明を与えている.本研究では, KOW力学的エントロピーの定式化を基に,完全正写像によって記述される系の力学的な性質に関連する情報源のエントロピーについて厳密に調べる研究を行い,量子情報源符号化を取り扱う基礎付けを与える研究を行った。
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Research Products
(19 results)