2007 Fiscal Year Annual Research Report
様々組み合わせ問題におけるグレブナー基底の有効性の検証
Project/Area Number |
18540145
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
渡辺 芳英 Doshisha University, 工学部, 教授 (50127742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 准教授 (30314397)
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Keywords | グレブナー基底 / トーリックイデアル / グラフのネットワーク / 最大流問題 / サーキット / ローレンス持ち上げ / RNA結合2次構造予測 / 整数計画法 |
Research Abstract |
1)最大流問題に付随ずるトーリックイデアルの研究 昨年度の研究成果として,最大流問題を標準形の整数計画問題として定式化を行った.整数計画問題の係数行列を調べてみると,ネットワーを定義するグラフの接続行列から,始点と終点に対応する2行を除いた行列(縮小接続行列)のローンス持ち上げになっていることがわった.そこでまず手始めに,縮小接続行列のトーリックイデアルについて研究することにした.このようなトーリックイデアルの生成系を求めるにはまず,縮小接続行列の整数核の生成系を求める必要がある.我々はこのような整数核がグラフの始点から終点に至る路を表すベケトルによって生成されることを証明した.さらに、この結果とストルムフェルスらの結果を用いれは、縮小接続行列に付随するトーリックイデアルは整数核の生成系に対応する2項式だけから,飽和商計算なしで生成されることがわかった.この結果は北海道大学での応用数理学会年会で発表され,発表者宮城奈津子は若手講演者賞を受賞した. 2)整数計画を用いたRNA結合2次構造予測 シュードノットなしのRNA結合2次結合予測の問題は,2次構造する塩基対の水素結合のエネルギーの総合を最小にする組み合わせ最適化問題と考えられ,通常はダイナミカルプログラミングの手法などを使って解くことができる.われわれの研究ではこの問題を整数計画問題として定式化し,その整数計画問題を近年著しく開発が進んでいる商用の最適化ソルバーを用いて解くことを試みた.用いたソルバーはアイログ社のCPLEXである.整数計画として定式化することにより計算量は大きくなるが,解くべき問題の変更等には柔軟対応が可能となる.計算機実験の結果,ある程度のサイズの問題に対しては,われわれの手法は有功であることが確かめられた.
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Research Products
(3 results)