2007 Fiscal Year Annual Research Report
不規則系列上の離散分布モデルに関する統計的推測の研究
Project/Area Number |
18540148
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安芸 重雄 Kansai University, システム理工学部, 教授 (90132696)
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Keywords | 離散分布論 / 確率母関数 / 離散パターン / 条件付き期待値 / start-up demonstration test / 識別可能性 / マルコフ連鎖 / 複合パターン |
Research Abstract |
さまざまな不規則系列上のパターンについての厳密分布を調べ、母数の統計的推測に利用することができるように理論的な研究を行った。主な研究手法は数え上げ組み合わせ論ではなく、条件付き期待値のstepwise smoothingによる解析的なアプローチであり、具体的に次のような成果が得られた。 1.高次マルコフ連鎖における長さkの連の待ち時間分布において、従来計算が困難であった、kの値がマルコフ性の次数mに比べて大きい場合について、厳密な確率母関数の計算法を与えた。kの値がいくら大きくても、マルコフ性の次数mまでの長さの連の待ち時間分布の確率母関数を用いて、長さkの連の待ち時間分布の確率母関数を記述することができる。従来、kが大きいときには、確率母関数族についての大規模な連立方程式を解くことが必要であったが、mが適当な大きさであるときには、これが回避できることが分った。 2.多値マルコフ連鎖上の、与えられた長さの連の数の同時分布を、さまざまな数え方に対応して統一的に調べた。確率母関数の漸化式、二重母関数、モーメントなどの結果を与えた。 3.複合パターンについて、起こる回数が与えられたときの試行回数の分布と、試行回数が与えられたときの生起回数の関係を母関数によって与えた。 4.多値マルコフ連鎖上の複合パターンに関する同時分布を、さまざまな数え方に対応して調べた。二重母関数(確率母関数の母関数)や確率母関数の漸化式などを具体的に与えた。
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Research Products
(6 results)