2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540154
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清水 悟 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90178971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 秋雄 金沢大学, 理工研究域数物科学系, 教授 (20111320)
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Keywords | 関数論 / 特殊領域 / ラインハルト領域 / チューブ領域 / 複素幾何学 / トーラス作用 / リー群 / 正則ベクトル場 |
Research Abstract |
本研究では、特殊領域の研究とその複素幾何学への応用を中心に、研究代表者および研究分担者の専門分野において主として、つぎのような研究成果を得た。 1. ラインハルト領域の研究に関連して、球と複素数空間からすべての座標超平面を引き抜いて得られる空間との直積空間に対して、その正則自己同型群による特徴付けに関する研究を行い、新たな結果を得た。具体的には、Bをk次元複素数空間内の単位球、Yをm次元複素数空間からすべての座標超平面を引き抜いて得られる空間とし、XをBとYの直積空間とするとき、k+m次元スタイン多様体Mの正則自己同型群が、Xの正則自己同型群と同型ならば、M自身がXと双正則同値になるかという問題に対して、肯定的な解答を与えた。また多重円板のその正則自己同型群による特徴付けの研究に関連して、ある条件下で対称領域を特徴付ける問題を考察した。 2. トーラス作用の研究に関連して、n次元複素数空間Nの正則自己同型群の部分群Gでn次元コンパクトトーラスTをその部分群として含むものの研究を行った。これまでの本研究において、このようなGでn次元単位球の正則自己同型群と同型なものは存在しないという特殊な結果は得られていたが、Gの構造を組織的に研究する方策が望まれていた。そのため、まずGのリー環gを考察し、gがTのリー環に関するルート分解をもつことを示した。そしてN上の正則ベクトル場としてのgの元Zが、Nの各座標超平面に沿って極を持ち得ないこと、またN上完備であることを用いて、Zの形を限定した。これによりGの一般的構造を解明することが可能になり、特にn=2のときGの構造をほぼ決定した。
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Research Products
(3 results)