2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘性解理論に基づくハミルトン-ヤコビ方程式の漸近解の研究
Project/Area Number |
18540165
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 安啓 University of Toyama, 理工学研究部, 准教授 (10209067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁司 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70102887)
吉田 範夫 富山大学, 理工学研究部, 教授 (80033934)
池田 榮雄 富山大学, 理工学研究部, 教授 (60115128)
石井 克幸 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (40232227)
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Keywords | 粘性解理論 / オーブリー集合 / 収束率 / 解の構造を決定する極小な集合 |
Research Abstract |
今年度では、ハミルトン-ヤコビ方程式の漸近解への収束率の遅延要因について研究成果を纒め口頭発表を行いまた研究論文として発表した。これは、2007年3月に富山大学大学院理工学教育部を修了した内山和哉氏との共同研究である。主な研究成果としては、収束率の遅延要因はオーブリー集合と初期値との関係が悪くなることであることを明らかにしたことである。現在、この成果の応用についても考えている。 また、2007年6月に東京大学で開かれた粘性解生誕25周年の国際研究集会では、ハミルトン-ヤコビ方程式の解を決定する(オーブリ-集合の部分集合のうちで)極小な集合について研究発表を行った。この研究集会は、世界中からこの25年間の単性理論の発展を支えた研究者が集結したものであった。このような極小集合は、ハミルトン-ヤコビ方程式の解の構造を調べる際に重要であることが分かっている。研究成果の一つとして、例えばオーブリ-集合がカントール集合のときはこのような集合が存在しない(即ち、解を決定するいくらでも「小さい」集合が存在する)ことを示したことである。この研究集会で発表した研究成果はこの研究集会の報告集で報告する一方、その後得られた更なる研究成果についても今後研究論文として発表する予定である。 今年度は、上記研究成果について国内外で合計6回の研究成果の発表を行うと同時に本研究に関連した研究集会に参加して研究の発展のための勉強と情報収集に努めた。
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Research Products
(5 results)