2006 Fiscal Year Annual Research Report
順序空間の正則性を用いたRiesz空間値非加法的測度の研究
Project/Area Number |
18540166
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河邊 淳 信州大学, 工学部, 教授 (50186136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 雄二 信州大学, 工学部, 教授 (80021004)
木村 盛茂 信州大学, 工学部, 教授 (00026345)
山崎 基弘 信州大学, 工学部, 准教授 (30021017)
高野 嘉寿彦 信州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80252063)
|
Keywords | non-additive measure / Egoroff theorem / asymptotic Egoroff property / multiple Egoroff property / Riesz space / Lusin theorem / statistical manifold / affine connection |
Research Abstract |
1.解析学で有用なε-論法の代わりとなる新たな滑らかさの概念(漸近的Egoroff性)をRiesz空間に導入することにより,可測関数列の概一様収束に関するEgoroffの定理がRiesz空間値ファジィ測度に対して成立することを示した.また,多くの重要な数列空間や関数空間が漸近的Egoroff性をもつことを示した. 2.Riesz空間がEgoroff性を満たす場合は,Egoroffの定理が性質(S)を満たす強順序連続なRiesz空間値非加法的測度に対して成立することを示した.また,Egoroff性よりも弱い滑らかさの条件である弱σ-分配性を仮定した場合は,一様自己連続かつ強順序連続で下から連続な非加法的測度に対してEgoroffの定理が成立することを示した. 3.漸近的Egoroff性をより精密化した多重Egoroff性をRiesz空間に仮定することにより,距離空間上の弱零加法的なRiesz空間値ファジィ測度はつねに正則となることを示した.応用として,Borel可測関数の連続関数列による近似に関するLusinの定理が,同種のファジィ測度に対して成立することを示した. 4.可測関数列の測度収束と概収束との関係を与えるRieszの定理が,σ-正則な可算サブノルムRiesz空間に値をとる自己連続かつ下から連続な非加法的測度に対して成立することを示した.また,σ-正則な可算サブノルムRiesz空間は,つねに漸近的Egoroff性と多重Egoroff性をもつのみならず,順序可分となることを示した. 5.統計的モデルの代表例としての多次元正規分布のなす空間に対して以下を考察した. (1)α=±1のときの測地線を求めた.また,特別な場合として,共分散行列が対角行列である多次元正規分布のなす空間のα-接続に関する測地線は,楕円,放物線,双曲線の2次曲線の一部か直線の一部であることを示した. (2)上記の多次元分布のなす空間も含め,具体的な指数型の統計的モデルが偶数次元のとき,1-接続に関してKahler-like構造をもつことを示した.
|
Research Products
(8 results)