Research Abstract |
今年度の研究では,放物型ベルグマン空間におけるコンパクトなToeplitz作用素及び1〓q<p<∞のときのカールソン不等式の特徴付けを行い,幾つかの結果を得た。それらについて,記述する。Hを(n+1)次元Euclid空間R^<n+1>(n〓1)の上半空間とする。また,H上のBorel測度μ〓0と1〓p〓∞に対し,L^p(μ)=L^p(H,dμ)とし,通常のL^p(μ)ノルムを‖・‖_<L^p(μ)>で表す。特に,VはLebesgue測度を表すものとする。0<α〓1に対し,α次放物型作用素L^<(α)>=∂/(∂t)+(-Δ_χ)^αの解でL^p(V)に属するもの全体をb^p_αと書き,これをα次放物型Bergman空間と呼ぶ。1〓p,q<∞とし,μ〓0をH上のBorel測度とする。u∈b^p_αに対し,埋め込み写像ι_<μ,p,q>をι_<μ,p,q>u(X):=u(X),X∈H.で定義する。閉グラフ定理より,b^p_α→L^q(μ):ι_<μ,p,q>u=uが有界となるための必要十分条件は,ある定数C>0があって,すべてのu∈b^p_αに対し,不等式(1)(∫_H|u|^qdμ)^<1/q>〓C(∫_H|u|^pdV)^<1/p>が成立することである。(1)の不等式をCarleson不等式と呼ぶ。1〓q<p<∞とし,σをp/dの共役指数,すなわち1/σ+1/(p/q)=1とする。μがCarleson不等式(1)をみたすための必要十分条件は,〓_0μがL^σ(V)に属することである。ここで,X=(χ,t)∈Hに対し,Q^<(α)>(X)=Q^<(α)>(χ,t)をα次放物型Carleson boxと呼ぶ。ここで,V(Q^<(α)>(χ,t))=t^<n/(2α)+1>に注意しておく。λ∈Rに対し,〓λμ(X):=(μ(Q^<(α)>(X)))/(t<R/(2α)+1+λ>),X=(χ,t)∈Hとし,これをμの荷重付きaveraging functionと呼ぶ。
|