2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
植村 英明 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30203483)
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Keywords | 多次元ブラウン運動 / 正値連続加法的汎関数 / マリアヴァン解析 / 局所時間 |
Research Abstract |
多次元ブラウン運動の正値連続加法的汎関数を,ブラウン運動の超関数の範囲まで拡張して定義した。従前のマルコフ過程の研究における正値連続加法的汎関数の特性量としてのcharacteristicやRevuz測度がこの場合にも適切に定義され,これらを通じて多次元ブラウン運動の正値連続加法的汎関数の構造が明らかとなることを示した。具体的には以下の通りである。 1.多次元ブラウン運動の正値連続加法的汎関数をブラウン運動の超関数の範囲まで拡張した。その際に現れる超関数の加法性については,以前の研究成果である代入公式を利用した。 2.多次元ブラウン運動の正値連続加法的汎関数の,局所時間とRevuz測度による表現を与えた。 3.Radon測度から構成される正値連続加法的汎関数に対して,この汎関数のRevuz測度と元のRadon測度との同一性,ならびに正値連続加法的汎関数のRevuz測度から構成される汎関数と元の汎関数の同一性を示した。 4.Radon測度から構成される正値連続加法的汎関数に対して,この汎関数の属するソボレフ空間のクラスとRadon測度のみたす可積分条件との対応について結果を得た。この結果を用いて多次元のSierpinski gasket上の一様測度に対応する正値連続加法的汎関数の2乗可積分性と次元との関係性を明らかとした。 これらの結果は研究集会「確率論シンポジウム」において発表し,また現在論文に纏めているところである。
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