2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540170
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
植村 英明 Aichi University of Education, 教育学部, 教授 (30203483)
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Keywords | 確率解析 / 局所時間 / 正値連続加法的汎関数 / Riesz核 / ブラウン運動 / 極限定理 |
Research Abstract |
1次元ブラウン運動の正値連続加法的汎関数のうち,最も注目すべきものの一つに局所時間がある。多次元ブラウン運動についてもその局所時間は捕捉されているのだが,果たせるかなそれはブラウン運動の超関数の域を出ず,広く使用されるには至っていない。そこで,これに代わるものの一つの候補してRiesz核に対応する正値連続加法的汎関数について考察を加えた。具体的には以下の通りである。 1.ほとんどすべてのブラウン運動に対してγ次のRiesz核に対応する正値連続加法的汎関数(γ次Riesz PCAFと呼ぶことにする)を構成し,この汎関数に関する占有時間公式を導いた。あわせて空間パラメータに関する1次平均収束の意味での連続性を示した。 2.ブラウン運動の次元をNとする。Riesz核の次数γがN-2より高い時,このγ次Riesz PCAFの現れる極限定理を示した。1次平均収束の範疇では,これは1次元ブラウン運動に対してT.Yamadaにより得られた極限定理の多次元ブラウン運動への拡張となっている。 3.γ次Riesz PCAFをブラウン運動の超関数としてとらえなおしたとき,局所時間に対するγ次のRieszポテンシャルとしてγ次Riesz PCAFが得られること,およびγ次Riesz PCAFの超関数としてのγ階の微分が局所時間となることを明らかにした。
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