2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上木 直昌 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (80211069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 就将 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (10183964)
中村 周 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50183520)
重川 一郎 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00127234)
小谷 眞一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10025463)
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Keywords | 確率解析 / 微分方程式 / 作用素論 / 数理物理 / ランダムシュレディンガー作用素 / ランダム行列 / スペクトル / シュレディンガー作用素 |
Research Abstract |
本研究は我が国におけるランダム作用素の研究を振興するために国際的な研究集会を開催することを目的としていた。今年度はその予定通り平成18年12月11日から15日までの5日間にわたって京都大学吉田南キャンパスにおいて「Spectral Theory of Random Operators and Related Fields in Probability Theory」と題する研究集会を開き、海外から招いた7人の権威的研究者を含め凡そ50人の研究者の参加を得て有意義な研究交流の場を設けることが出来た。その記録はウェブページhtt://www.math.h.koto-u.ac.jp/~ueki/SR06/index-j.html に残してある。そこで話し合われた内容はランダムシュレディンガー作用素やランダム行列に関する様々な話題を中心としたものであったが、ファイナンスや政治学の話題も提供され、非常に広範囲に及ぶものであった。ランダム作用素に関連する話題は数学的立場からのものが主であったが、物理学的立場からの話題提供もあり充実した内容であった。その研究集会において南はアンダーソンモデルの順位統計についての予想を述べ、中村はシュレディンガー方程式の解の波面集合の準古典近似的な特徴付けについての結果を発表し、小谷は時空変数について定常となっているKdVフローの佐藤の無限次元グラスマン多様体上の力学系の理論による構成についての研究発表を行った。また今年度の期間中に上木はランダムなベクトルポテンシャルをもっシュレディンガー作用素に対するウェグナー型評価とそのアンダーソン局在についてのHislop-Kloppの理論を詳細に検討し、低エネルギーではそれが実際に有効になる例の存在を確かめた。現在その内容について論文にまとめている。
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