2007 Fiscal Year Annual Research Report
正準変換の手法によるシュレディンガー方程式の解の諸性質の解明
Project/Area Number |
18540176
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 充 Osaka University, 理学研究科, 准教授 (60196756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保城 寿彦 兵庫県大学, 物質理学研究科, 教授 (40211544)
土居 伸一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00243006)
林 仲夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30173016)
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Keywords | フーリエ積分作用素 / シュレディンガー方程式 / 平滑化作用 / 分散型方程式 / 非線形問題 / 時空間評価 / モジュレーション空間 / 時間 |
Research Abstract |
この研究は、方程式に正準変換を施して標準形に変形してから考察するという一般的手法を、シュレディンガー方程式およびその一般化に関する諸問題に適用する事を試みるものであった。本年度は、このうち分散型方程式に対する時空間評価式の導出において大きな進展があった。具体的には、二つの方程式の表象から定まるある量の大小比較から、それぞれに対する時空間評価式の大小が決定されることを発見した。この法則を「比較原理」と名づけるとともに、これを用いて、空間1次元もしくは2次元の方程式に対する評価式をそれぞれの場合の単純なモデル評価式に帰着する方法論などを与えた。さらにこの「比較原理」と前年度の成果であるところの「正準変換」の手法をあわせ用いることにより、ほぼすべての分散型方程式に対する時空間評価式は、実は単純な自明な評価式に帰着されてしまうことなどが解明された。一方、このような正準変換の手法をより一般の関数空間上で展開するために、モジュレーション空間論の基礎研究も行った。この空間上ではシュレディンガー方程式の基本解の有界性が成立するなど、既存のLp空間にはない著しい性質が成立している。この研究では、モジュレーションノルムの相似変換則を決定し、さらにはそれを用いて擬微分作用素の有界性に関する問題に応用した。これらの成果は、J.Funct.Anal.誌およびProc.Amer.Math.Soc.誌などにおいて論文発表され、また国際研究集会(2008年2月18日〜20日於大阪大学)"Function Spaces and Partial Differential Equations"においても口頭発表された。
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Research Products
(5 results)