2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレットによる時間周波数情報を利用したブラインド信号源分離
Project/Area Number |
18540177
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
守本 晃 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 助手 (50239688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
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Keywords | ウェーブレット / 信号源分離 / 時間周波数 / 実解析 / 空間的混合問題 / 時空間混合問題 / 時間遅れ |
Research Abstract |
パーティ会場のようないろいろな音源が混じった環境でも,我々は会話ができる.つまり,特定の音源のみを識別することができる.この聴覚系の能力はカクテルパーティ効果と呼ばれ,心理学から工学にわたる広い分野で研究されている.工学的には,複数個の信号源から信号が出力されている状態で,異なる性質や設置位置を持つ複数個のセンサーで捉えた観測信号のみを使って,信号源の個数とそれぞれの信号源の出力を決定する逆問題(ブラインド信号源分離)に帰着できる. 本研究課題は,ウェーブレット解析による時間周波数情報を使ってブラインド信号源分離を行うための基礎理論の構築とその工学への応用に関する研究である.今年度は,複数の信号源を取り囲む形にセンサーを配置して,時間遅れの入った問題を考えた.その中で,センサーのインパルスレスポンスがデルタ関数になる一番簡単な時空間混合問題に的を絞って研究した. 短時間フーリエ変換と違って,時間遅れ作用素と連続ウェーブレット変換は可換なので,時間遅れの入った数理モデルを簡単に時間周波数情報に書き換えられることを示した.この性質を用いて観測信号の時間遅れの入った商が実数値に近くなる時間周波数位置のヒストグラムを描くことにより,信号源の個数と時間遅れが推定できることを数値実験で確認した. 各信号源から観測位置までの時間遅れが決定できた場合の信号源の位置を特定する方法"双曲線の交点の問題"についてもサーベイを行った.また,本年度の研究で使用したウェーブレット関数の多くが実数値ウェーブレットの解析信号であったので,解析ウェーブレット変換に注目して,解析信号と連続ウェーブレット変換・短時間フーリエ変換の取り扱いについて理論的な研究を行った. 一部の結果は,平成19年度に雑誌および学会で発表した.それらをもとに現在フルペーパーを作成中である.
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Research Products
(14 results)