2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540184
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
下村 宏彰 Kochi University, 教育学部, 教授 (20092827)
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Keywords | 無限次元群 / 表現論 / 測度論 / 微分同相写像 / 既約表現 / 正の定符号関数 / 端点分解 |
Research Abstract |
本年度は以下の主題にテーマをしほって研究した:局所コンパクトな位相群上の正の定符号関数の端点分解はいかなる場合に対応するユニタリ表現の既約分解に相当するか。 例えば、Choqetの定理を応用した端点分解などがこれに当たる。現在までに筆者はこの問題に関する一つの必要・十分条件を得たが、その叙述がそれほど明快でないため、これに代わる他のよりよい具体的な条件をさがしている。例えば、分解の因子として現れる各正の定符号関数が、分解にもちいた測度に関する二乗可積分関数が作る空間の中でどのような位置を占めるか、その簡明な叙述ができれば十分である。 上記の問題は無論いつでも肯定的ではない。その興味ある否定的な例として次に挙げるものがある。 1964年にドイツの数学者Thomaは自然数上の有限置換のなす無限対称群の空間上のcharacter(II型のfactor表現のnormal trace)を研究してその完全な分類を得た。その後30年程して、Obataはそれらのcharacterを整数環の無限直積測度を使って、上記の問題に相当する端点分解(disintegration)を得た。問題はこの端点分解が既約分解に相当するか否かである。 筆者が今回得た結果をここに記せば、それは各characterを分類するThoma parameterに依存し、重複のあるThoma parameterの場合には否定的な結果となる。 いつでも否定的か否かは、上記的より良い必要・十分条件の開拓と共に今後の課題である。
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Research Products
(4 results)