2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次元領域における走化性方程式系の爆発解の挙動に関する研究
Project/Area Number |
18540189
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
仙葉 隆 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 教授 (30196985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
北 直泰 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (70336056)
内藤 雄基 神戸大学, 工学部, 准教授 (10231458)
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Keywords | 走化性方程式 / 爆発解 / Type I爆発 / Type II爆発 / 自己相似解 |
Research Abstract |
本年度は、Keller-Segel系を単純化した方程式系(以後、単純化方程式系と呼ぶ)の爆発解について以下のような新たな知見を得た。 11次元以上のユークリッド空間における単純化方程式系の球対称なTypeII爆発解は2005年に仙葉によって構成されたが、爆発の速さについては上からと下からの評価が得られているだけで速さを決定するまでには至らなかった。本年度の研究によって、各々の爆発の速さが異なる球対称なTypeII爆発解を加算無限個構成し、各々解の爆発の速さを決定する事ができた。この結果を研究発表の3番目の論文の中にまとめた。 ここで、自己相似的な爆発と同じ速さの爆発をTypeI爆発と呼び、爆発の速さがそれよりも速い爆発をTypeIIの爆発と呼ぶ。 また、3次元以上のユークリッド空間における単純化方程式系は球対称なTypeI爆発解をもつ事が本研究で明らかになり、その事を平成18年度の研究実績報告書で報告した。本年度の研究によって、2次元ユークリッド空間における単純化方程式系は球対称なTypeI爆発解をもたない事を明らかにし、その結果を研究発表の1番目の論文としてまとめた。この結果は、低次元領域における単純化方程式系の爆発解の性質についてのものであるが、高次元領域における爆発解の構造が低次元領域におけるそれよりも豊富である事を示したという意味では、本研究における新しい知見と考える。交付申請書の研究目的の欄に本研究の特色・独創的な点として記載したように、このような観点で高次元領域における走化性方程式系の解を研究する事が、本研究の特色・独創的な点の一つである。
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Research Products
(7 results)