2008 Fiscal Year Annual Research Report
変分問題、最適化問題、線形および非線形偏微分方程式の解の構造の研究
Project/Area Number |
18540191
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
倉田 和浩 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10186489)
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Keywords | ソボレフ空間 / コンパクト埋め込み定理 / 非線形楕円型境界値問題 / 最適化問題 / 反応拡散系 / 数理生態学 / パターン形成 / ギーラー・マインハルト系 |
Research Abstract |
1.近年,指数が変数係数となるルベーグ空間やソボレフ空間の実解析的研究が盛んに行われているが,塩路直樹氏(横浜国大)との本研究で,ソボレフ空間の変数係数をもつルベーグ空間への埋め込み定理がコンパクトであるシャープな条件を見つけることに成功した.その応用として,ソボレフ臨界的変数指数をもつ非線形項を含むような非線形楕円型境界値問題の非自明解の存在を示した. 2.2000年に行ったDirichlet第1固有値最適化問題の研究(S.Chanillo,D.Grieserらとの共同研究),2004年に行った非線形熱伝導問題における非線形最適化問題の研究(M.Shibata,S.Sakamotoとの共同研究)に続き,Dirichlet境界条件下で,拡散効果を持ったロジスチックモデルにおける漁獲最適戦略問題(ある非線形楕円型境界値問題に対する最適化問題)を提唱し,J.Shiとの共同研究で,対応する数理モデルにおける最適戦略解の存在,定性的および定量的性質の研究を行った.特に最適解の対称性の崩れ現象の証明を行った.3.数理生態学におけるパターン形成モデルとして有名なギーラー・マインハルト系で,特に弱い飽和効果をもつ反応拡散系において,森本光太郎氏(首都大学東京)との共同研究で,軸対称領域上で,いくつも指定した有限個の点に凝縮した形状をもつ定常解の構成に成功した.一般の領域上でも,シャドウ系と呼ばれる場合には,1点に凝縮する定常解の存在はそのWeiとWinterによって2004年に与えられていた.我々の結果はWei-Winterの結果と飽和効果のないモデルに対するNi-Takagiの結果(1995年)を補完するものといえる.
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Research Products
(7 results)