2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540193
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
厚地 淳 Keio University, 経済学部, 教授 (00221044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50171905)
鈴木 由紀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30286645)
安田 公美 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (40284484)
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (60175718)
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Keywords | ネヴァンリンナ理論 / 多様体上のブラウン運動 / 有理形関数 / 値分布論 |
Research Abstract |
有理形関数に対ずるネヴァンリンナ理論は第一・第二の主要定理からなる。第一主要定理は以前の研究で一般的な多様体上の有理形関数についてもすでに定式化されている。問題は第二主要定理であるが、これは、値域の任意の有限個の点に対して、これらの点の原像の体積の増大度を値域における像の面積の増大度によって評価する不等式である。これを用いると有理形関数の除外点の個数を評価することができる。これは、複素ユークリソド空間上の有理形関数に対して成立することはよく知られている。この場合は、第二主要定理の系として非定数有理形関数の除外点の個数は、高々2個であることがわかる(ピカールの定理)。我々は、以前の研究で、ネヴクンリンナの理論と複素ブラウン運動の関係について調べており、定理)。確率解析の基本的なテクニッグを用いることによるネヴァンリンナ理論の一般化の可能性について論じていた。当年度はこの方法を用いて、一般の完備ケーラー多様体上の有理形関数に対しても、定義域の多様体にのみ依存する剰余項を付け加えることにより、この第二主要定理が成立することを示した。これより、どのようなケーラー多様体上の有理形関数であろうとも、像の増大度が十分大きければ、その関数の除外点の個数は高々2個であることがわかる。また、その増大度の閾値は、多様体にのみ依存するもので評価できることもわかる。さらに、複素ユークリッド空間の部分多様体についてはより具体的にこの剰余項を与えることができることを示した。この結果を用いて、代数的多様体上の有理形関数の除外点の個数の評価をわかりやすい形で与えた。
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Research Products
(7 results)