2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒルベルト空間における不変部分空間の構造とその周辺
Project/Area Number |
18540199
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大和田 智義 Shizuoka University, 教育学部, 准教授 (50321386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
綿谷 安男 九州大学, 数理(科)学研究科, 教授 (00175077)
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Keywords | invariant subspace / crossed product / analytic subalgebra / von Neumann algebra / maximality / semi group |
Research Abstract |
本研究の目的は,ヒルベルト空間における不変部分空間の問題に関連して,自己共役でない作用素環の構造を詳細に調べると共に,それに関する不変部分空間の構造解析を行うものである。解析的接合積は接合積の自己共役でない部分環としてよく知られていて,これまでに多くの興味深い結果が得られている。その一方で解析的部分環はArvesonによるスペクトル解析の研究に動機付けられ,作用素環における解析性の研究を中心に不変部分空間の構造や分解性そして極大性など様々な研究が盛んに行われてきた。von Neumann環のある部分環を真に含む部分環は全体である場合,その部分環は極大であるという。解析的接合積におけるσ弱閉部分環の極大性の問題は1980年代から盛んに行われているがそれらの研究は全てsemigroupを固定して考えられてきた。我々は極大性の問題をsemigroupの性質と結び付けて捉え直すことにより,その構造をより深く理解することが出来るのではないかと予想した。Archimedeantotally orderを引き起こすsemigroupによる解析的接合積を考えたとき,そのdiagomalが因子環であることと解析的接合積が極大であることは知られていたが,一般のsemigroupに関して同様の結果が成立するかは興味深い問題である。そこで解析的接合積のdiagonalが因子環であるとき解析的接合積が極大なら,付随するsemigroupはどのような条件を満たさなければならないかを考え,archimedean totally orderを引き起こす場合に限ることを証明した。この解析に誘発されて接合積のdiagonalが因子環の場合,そのdiagonalを含む双対作用に関して不変なσ弱閉部分環とsemigroupとの間に一対一対応が付くことを突き止めて統括的に極大性の議論を論じることに成功した。 また,これらの研究に関連して,解析的接合席から定義されるHankel作用素の共役作用素に関する基本性質を調べてそれを明らかにするなど,着実に研究課題を達成するための準備が整いつつある。
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Research Products
(4 results)