2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540205
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美保 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 研究拠点形成特任研究員 (20422397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 克幸 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (40232227)
|
Keywords | 非線形現象 / 界面運動方程式 / 粘性解 / 非線形偏微分方程式 / 結晶成長 / 画像処理 / 曲率流方程式 / 退化放物型方程式 |
Research Abstract |
結晶成長の界面の運動は、しばしば曲面(あるいは曲線)の非線形拡散型発展方程式で記述される。結晶の界面構造の方向による異方性を考慮する場合、非等方的曲率κを導入する必要が生じる。これは、狭義凸の表面エネルギー密度αが単位球面上で与えられた場合、曲面Sに対する表面エネルギーI(S)つまりα(n(x))のS上積分の、(L^2内積による)第一変分にあたり、形式的にはκ(x)=divξ(n(x))と書ける。n(x)は曲面Sの点xの単位法線ベクトル、αは正斉次一次拡張、ξ=grad αである。このような特異なαを許容する設定での界面運動方程式の解明に向けて以下を行った。 研究分担者の石井克幸は、まず等方的な場合について、外力の付いた平均曲率流に取り組んだ。この方程式のアレン・カーン方程式による近似の収束の速さについて最良評価を得て、Katsuyuki Ishii, Optimal rate of convergence to the motion by mean curvature with a driving force, Adv. Differential Equations 12, Vol.12,2007に発表した。 一方、ショックの現れうる、多次元空間における発散型とは限らないスカラーの1階ハミルトン・ヤコビ方程式∂u/∂t+H(u,grad u)=0は、典型的な非線形双曲型偏微分方程式であるが、解のグラフy=u(t,x)を(x,y)一平面で運動する曲面とみなして界面方程式運動を考え、退化放物型方程式タイプの粘性解理論を展開していく方法が近年示唆されたが、未解決な部分が多い。この方法を確立するために、ショック付近の界面がオーバーターン現象を起こすのを防ぐために導入する鉛直方向(y-方向)のみに有効な非等方的曲率効果κについて、その係数の適切な大きさについて、儀我美保は、スイス・チューリッヒで開催された、6th International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM2007)において、Singular diffusivity and its applicationsについて講演を行った。
|
Research Products
(2 results)