2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540210
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
武部 尚志 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60240727)
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Keywords | 可積分系 / 無分散可積分系 / Loewner方程式 |
Research Abstract |
本年度は無分散可積分系を中心に研究した。 ・近年、共形場理論とstochastic Loewner方程式(単葉関数論においてBieberbach予想などと関連して導入された方程式をstochasticにしたもの)の関係が注目を集めているが、その関連を可積分系の立場から考察しようという目標に向けて研究中である。ただ、現時点ではstochasticにする前のdeterminisitcなLoewner方程式との関係しか分かっていない。 本年度はstochastic Loewner方程式(以下SLEと略記)についての文献調査を行った。現在までの所SLEと共形場理論の関係は、主にminimal modelとの関係が研究されているが、さらに対称性の高いWZW模型についての関係はまだあまり調べられていない。この関係について、これまでに使った経験のある表現論的な手法を用いて解明できないか、という問題提起を行った。この問題についてシカゴ大学のWiegmann氏が興味を持ち、議論を行いつつある。 ・(高崎氏との共同研究)多成分KP方程式系の無分散極限をdifferential Fay方程式の極限として構成した。また、高種数のスペクトル曲線を持つ無分散可積分系を無分散広田方程式から考察中である。
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