Research Abstract |
研究代表者の久村は,Limiting absorption principle and absolute continuity of the Laplacian on a manifold having ends with various radial curvatures, preprint, arXiv : math.DG/0606125において,有限個のエンドを持ちそれらが異なる放射曲率極限達を持っ場合の完備リーマン多様体のLaplacianについてその極限吸収原理と絶対連続性を証明し.これは量子力学の言葉を借りると一定以上のエネルギーを持った粒子は確率の意味で無限遠に飛び去ることを意味する。また,低いエネルギーを持った粒子は'高エネルギーのエンド'には飛び去ることが出来ないことを示した.さらに,これらのエンドの曲率の振舞いは極限吸収原理成立のためにはシャープであることも前論文の例から分かる. 研究分担者の加須栄は,論文Convergence of Riemannian manifolds and Laplace operators, II, Potential Analysis 24(2006),137--194において,コンパクトリーマン多様体やリーマン多面体を含む,あるディリクレ空間のクラスの中での変分収束とスペクトル収束を論じ,調和関数や調和写像の収束に関する結果を纏めた.また,Variational convergence of finite networks, Interdisciplinary Information Sciences 12(2006),57-70において,有限ネットワーク(重みつきグラフ)の変分収束,Gromov-Hausdorff収束,スペクトル収束に関する結果および,関連して,無限グラフのRoydenコンパクト化に関する最近の結果の報告を行った. 次に,研究分担者の芥川は3-manifolds with Yamabe invariant greater than that of RP^3,J. Differential Geom.75(2007),359-386において山辺不変量が正で,RP^3のそれより大きいものを完全に分類した.また,Perelman's invariant, Ricci flow, and the Yamabe invariants of smooth manifolds, Archiv der Math.88(2007),71-76において,ペレルマンのRicci flowの研究で注目された不変量,いわゆる‘ペレルマン不変量'と山辺不変量の関係を調べた.
|