2006 Fiscal Year Annual Research Report
特異磁場をもつパウリおよびディラック作用素のスペクトルの研究
Project/Area Number |
18540215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩塚 明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (40184890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 英男 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30022734)
峯 拓矢 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (90378597)
大鍛冶 隆司 京都大学, 理学研究科, 助教授 (20160426)
山田 修宣 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066744)
島田 伸一 摂南大学, 工学部, 助教授 (40196481)
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Keywords | 特異磁場 / パウリ作用素 / ディラック作用素 / スペクトル / アハラノフ・ボーム効果 / ポワソン・ランダム / シュレディンガー作用素 |
Research Abstract |
研究代表者は,ポワソン型のランダムなポテンシャルをもつシュレディンガー作用素のスペクトルが,空間次元が2でない場合に,確率1で,実数全体あるいは正の実軸全体のどちらかとなることを示した。また2次元の場合にはスペクトルのギャップは高々一つであることを示した。 田村英男は,指数積公式によるシュレディンガー半群の積分核および熱核に対する近似とその収束誤差評価を行った。また2つの2次元ソレノイド磁場による散乱に対する準古典問題を通して,量子力学からのアハラノブ・ポーム量子効果と古典力学からのtrapping現象がいかに関係するかを明らかにした。 峯拓矢は,δ型の磁場を持つシュレディンガー作用素のスペクトルについての研究を行った。特にδ磁場の強さ・位置が周期的な場合,あるいはポワソン・アンダーソン型のランダムネスを持つ場合を研究した。 山田修宣は,光速を無限大に近づけた場合のディラック作用素の非相対論的極限の研究およびKerr-Newman距離におけるディラック作用素のスペクトルの研究などを行った。 これらの研究成果を発表あるいは情報収集するために,研究代表者および峯拓矢等は,プラハで2006年9月に開催された国際研究集会「Operator Theory in Quantum Physics」に出席した。また研究代表者は2006年7月に研究集会「夏の作用素論シンポジウム」(沖縄)を主催して開催し,あるいは国内で開催されたいくつかの研究集会に研究分担者および国内の関連分野の研究者とともに参加し情報交換・研究打合せを行った。
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